次男が高校の補習の帰り、巣から落ちて鳴いていた鳩の子を見付けました。何人かその場にいたそうですが、結局お前面倒みてやれとの事で、連れて帰ってきちゃった、といいながら箱を抱えて帰宅。
とはいえ、鳩の子育てなどしたことなく、第一、何を餌にやればいいのかも全然見当つかず、とりあえず牛乳を飲ませました。盛んにクチバシつっこんで牛乳を飲んだんですが、よく考えると哺乳類じゃないんだから牛乳はまずかったかな?と反省。
次男がペットショップに行って、店員に聞いて小鳥の餌と給餌器を購入。私は私でインタネットで「鳩」「子育て」「餌」などで検索し、鳩を卵から観察した日記のホームページ(鳩のアルバム)をみつけてきました。
それによるとどうも生後12日〜14日目くらいの雛で、固形物もけっこう食べられそうです。鳩は頑丈で滅多な事では死なないし、何でも食べるとの事で一安心。
将来は飼いバトにするか自然に返してやるかはあとで考えるとして、しばらくは餌やりで大騒動しそうです。明日はカメラを用意して写真を撮り、ホームページに小鳩日記をオープンする予定です。
鳩と言えば「ぽっぽー」とか「ほろろろ」とか言った声しか意識してなかったんですが、子供の鳩は「ぴーぴー」とやはり赤ちゃん然とした声を発するんですね。
盛んに鳴いて餌をねだる声に父性本能を刺激されたか、次男・三男ともせっせと世話を焼いています。
何枚か写真を撮り、早速ホームページを開設することにしました。
あ、そういえばまだ名前を付けていません。いい名前ないかな?


左足のケガは捻挫ではなくやはり骨折の様です。少しは力が入るようですが、相変わらず足で踏ん張ろうとせず羽で地面を抑えて体勢を保っています。 育て親の次男は、明日にでもスーパーの中にあるペットショップの親切そうなおばさん店員に見てもらおうかと言っていますが、もし骨折としてもどうしてやりようも…添え木くらいはできるかな?
…といいつつ、子育てのストレスから解放されたかったのか、次男は友人宅に遊びに行ってしまいました。その代わり、三男がせっせと世話を焼いています(^^;。いつもは可愛がろうにも、お兄ちゃんがあれをしちゃいけんこれはダメと言われるのですが、そのお兄ちゃんがいないので自分の好きな様にベタ可愛がりしているようです。
名前はいつのまにか自然発生的に「ぴーちゃん」となってしまいました。鳴き声の「ぴーぴー」(ニワトリのヒヨコより体が大きい分だけトーンが低く、「ビービー」に近いですが)と鳩の英単語「pigeon」の頭文字からだそうです。
ペットショップに行き足の様子を見てもらいましたが、やっぱり一旦折れてつながりかかっているようで、少々「く」の字になっているけどそのままそっとつながるのを待つしかないだろうとの事でした。さすがに鳩は育てた事はないとのことで、生後どのくらいかなど見当つかないとのことでした。
さすがに拾ってきたときよりは大きくなったように思えます。餌も結構平らげるようになり、いまだに左足はかばっていますが羽ばたきや足踏みも力強くなりました。徐々に大人羽根がのぞいてきて形になりつつあります。
餌の与え方ですが、直にクチバシを開かせようとしてもダメで、母鳩の口の中に頭を突っ込んで食べるクセが残っているためか、指を穴やスリット様にしてそこにクチバシを挟むと開くので、すかさず注射器風の給餌器を差し込む、といった一連の動作がすっかり板につきました。


羽根もだいぶ生え揃い、地膚が見えていた背中もだいぶフサフサしてきました。主羽根の裏側はまだ地膚のままですが。羽ばたきの練習をし始めましたが、尾羽?(飛行機で言う尾翼)がまだ生えてきてないので空中を舞う事はまだ不可能でしょうけど(^^;。
最初入れて帰ってきた段ボール箱が少々手狭になったようで、羽ばたきがてら箱の縁に身を乗り出して外へ出ようとします。そろそろ大きな箱へ入れなおさないといけないですね。


箱から出してやると盛んに「ピーピー」(というより「ピギーピギー」に近い)鳴いて餌をねだったり構ってくれと騒ぎますが、箱に入れて蓋を閉じて暗くしてやるとすぐにおとなしくなります。しばらく経って寝たかな?とそーっとすき間からのぞくと「ピーピー」鳴きだします。ちゃんと起きて様子をうかがっているんですね。覗かないと静かでおとなしいのは躾が良いのでしょうか(^^;。
餌は回数・量とも増えてきました。もうそろそろ自分でついばむ練習をする頃かな?とは思いますが、まだまだ人の指の間にくちばしを突っ込み、大きな口を開けてねだります。しこたま食べさせて満腹になると、相変わらず指の間にくちばしを突っ込んできますが口を開けなくなります。それが給餌終了のサインのようです。
箱から出して床で遊ばせていると、いつの間に覚えたか落ちている粟を一粒づつついばむようになりました。お、これはそろそろ乳離れ(じゃないな、半消化粥離れともいうべきか?)かな?と思ったものの、人の指を見るとあわてて寄ってきてくちばしを突っ込むのは同じ。まだ手がかかりそうです。
懸念していた左足は徐々に回復しているらしく、いままで羽でカバーしてきてたのがぼつぼつ立てるようになっています。指もほとんど動かず冷たかったのが、だんだん血が通いはじめてきて暖かくなり、少しづつ曲げたり伸ばしたりしています。但し今までのハンデのためか左右の大きさが異なり、歩き方はまだギクシャクしています。
そういえば身体測定をしていなかったので初めて測ってみました。クチバシから尾羽の先までが約20cm、羽を全部広げると約35cmほどあります。羽を伸ばしてみると結構大きく育ってますね。

ちょっと大きめの箱に入れ換えたので、窮屈さは減りました。相変わらずピーピー鳴いて指のあいだにクチバシを突っ込んで餌をねだりますが、床にバラ撒いた粟粒もせっせと拾い食いできるようになり、練り餌を作るまでの一時しのぎには充分役に立っているようです。
それから、羽虫がわいたのかクチバシや足で羽の間を掻いたりしはじめましたが、最初はバランスを崩したりしていたものの、すぐに慣れてすっかり板につきました。左足も結構使えるようになり、人間で言えばスネにあたる部分がちょっと「く]の字に曲がっているものの、だいぶ固定してきたようです。
羽ばたきの練習もだいぶ力強くなり、風下にいるとそこそこ風量を感じるようになりました。尾羽が生え揃うのがいつ頃か不明ですが、飛ぶのもうすぐのような気がします…というのはチト大袈裟か?

左足はまだちょっと力を入れにくいようで、右足に主に体重をかけていますが、それでもすっくと立ち上がる事が出来るようになってきました。立ち上がって羽を閉じている姿や羽ばたき練習をする姿など、まもなく少年期も終るのかな?と思うような感じです。

庭に出して芝生の上を歩かせると、ちょっと歩きにくそうですが、初めての環境が珍しいのかキョトキョト落ち着きません。しばらく見ていると雑草の実(ヒヨコ草?)などをちょっとついばんでみては歩き回るものの、すぐにこちらに寄ってきて全く逃げる気配はありません。人間に対する警戒心など微塵もないようで、大きくなって放し飼いにしたらどうなるだろ、と逆に心配になるほどです。
そうそう、椅子に座って足を投げ出していると、羽をバタつかせてちょっと飛び上がり、ズボンを伝って腹まで上がってくることができるようになりました。さらに玄関の15cmほどの段差も飛び上がれるようになっています。そうやって段々飛ぶ高さが上がって行き、そのうち大空に舞い上がれるようになるのでしょうね。

産毛もだんだん抜けてきて一人前の鳩の姿に近づいているのですが、子鳩という認識はしっかりあるらしく、自分でついばむ以外に必ず口移し?の餌も要求します。特に朝食はそれじゃないとダメなようで、給餌器を使って指股越しに与えるまで「ピギーピギー」と鳴き止みません。その声に促されるように近くにいる人が作って与えます。
実は我が家の女性連中(カミさんと私の母)は鳥類が苦手だったとのことですが、飼ってみると可愛らしくなったようで、私や子供がいないときちゃんと面倒を見てくれているようです。特に私の母は動物全般苦手だったのですが、今や膝に抱いて寝かせつけてくれるようになりました。大変化です(^^)。
箱には昼間入らなくなり、無理やり入れても羽ばたいてすぐに出てきます。出てきて何するわけでもないのですが、床をコツコツいわせて歩き、落ちている粟玉やゴミまで口に入れます。そして時々糞(^^;。
ところが、カミさんが寝転んでテレビを見ていると、近くにやってきて掛けているタオルケットのすき間からゴソゴソ頭を突っ込み、身体をすり寄せてきたそうです。そして安心しきったように寝込んでしまい、それ以来その体勢がお気に入りになったようで、餌の時間と遊ぶ時以外はタオルケットの中に入りびたりです。
朝食の後、庭に放つと盛んに砂をついばみます。最初は餌と間違えて食べているのかと慌て、食べさせまいとしていましたが、よく考えて見るとニワトリも砂袋をもって消化を助けていることから、ひょっとすれば鳥類独自の行動か?と気付き、ほっておく事にしました。もしそうでなくても消化できなければ排出するでしょうし、本能に即した行動だと思うので過保護にしてもしょうがないですしね。

家の中にいれると、相変わらず寝ているそばによってきてタオルケットに入り込んで寝ようとします。タオルケットが無ければTシャツの裾から首を突っ込んで入り込んできます。きっと親鳩の温もりを求めているんだろうな、と思います。
餌が無くなったので、幼鳥用ではなくやや大きめの小鳥用の餌を飼ってきました。さらに成鳩用の餌も買い、いつ大きくなってもいいように準備万端(^^;。試しに成鳩用の餌を与えてみると、小麦などの小さめの餌はついばみます。

…書くのがとても息苦しいんですが、こんなに早くこの日記を閉じる事になるとは思いもよりませんでした。
というのも、本日午後2時ごろ、末っ子が誤って上の写真の状態で寝込んでいたピーちゃんを踏んでしまい、圧迫度合がひどかったためか、手当する間もなくあっという間に息を引き取ってしまいました。
我が家に来てわずか2週間。生後1ヶ月くらいだったでしょうか、はかなくも短い命を終えてしまいました。鳥の本来の姿である空を飛ぶこともできず、ウチに拾われてきたことがピーちゃんにとって果して幸せだったのかどうか。
末っ子は大変なショックを受けたらしく、全く食べ物が喉に通らないようです。拾ってきた次男は友人宅から帰宅し、しばし放心状態でした。明朝、紙箱を棺桶にして庭の隅に埋めてやるとのこと。二人とも涙に暮れていましたが、例え小さな動物でも生命の意味は考えることができたかもしれませんね。
というわけで、残念ですがこの日記はここで終ります。…しばらくは「ペット」のコーナーの更新は気が進まないでしょう、きっと。
8月16日のショックからようやく立ち直りつつあるようです。 ピーちゃんは庭の隅に埋めてもらい、子供達から線香を上げて貰っているようです。成仏できますように、合掌。
さて、色んな人とペットの話をすると、その死に目に遭うのが嫌いだからペットは飼わない、という人が結構おられます。確かに可愛がっていたものがいつか手元から離れ、また生あるものはいつか死ぬことは運命なんだし、その別離は確かに悲しくやるせないものかもしれません。
が、私はそれを真正面から受け止め、死や別離を体験しその意味をかみしめる事により、ちょっと大袈裟かもしれませんが、人間としてより一段成長することができるのではないかな?と思っています。いわゆる、社会勉強の一つ、とでも位置づけできるかな?
私のこの日記を参考に末っ子が作りかけていた学校の夏休みの宿題「子鳩日記」も、末っ子はまだ辛い、思い出したくないからもう止める、と抵抗しましたが、日記を仕上げることによりピーちゃんに対する供養にもなり、より深くその意味を知ることができるから、と説得し、作成することになりました。
我が家にとって今回は確かに辛く切ない出来事でしたが、これをもって今後ペットを飼わない、ということはありません。今後も機会があればきっと何かしらペットと関っていくことになるのではないかと思います。
以上のコメントをもって、このページの締めにしたいとおもいます。短い間でしたがお付き合い有り難うございました。