慣用句、と謳っていますが、実はここに記したいのはいわゆる文法的な慣用句ではなく、ホレ、ことわざと言うか囃し言葉というか、日本語の成語によく見られる七五調の短文がありますわいな。「桃栗三年柿八年」とか。それらを思いつくまま載っけてみようかと思い立ったのでありまする。
蒐集のきっかけは…、ん〜、なんなんでしょうね。言葉の調子の面白さに引かれた事もあるし、まず世間一般には途中までしか流通していない成句の後に、ほとんど知られてないオマケの句がついてたりするのを面白がった、という所ですか。
これも他のコンテンツと同じく、何の役に立つのか、と問う事すら空しくなるような意味のない蒐集作業ではありますが(^^;、まぁそこはそれ、細かい所には目をつぶっていただくとして(^^;、へぇ〜、こんな言葉があったんだ、と思っていただければ幸いです。
知ってたって何の役にも立たないものって、ものすごく興味を引かれますσ(^^;。
| 内容 |
桃栗三年柿八年、柚子は九年で成りかねぬ |
| 摘要 |
前句はよく聞きますよね。ところが後ろの句は聞いたことがないという人がほとんど。実はこれは私の家に代々伝わる奥義の一つでして…なんて大袈裟なものではないのですが、私の父親から習った成句の一つです。私の父親もこういった言葉遊びに近い様なものが好きで、私がこんなことに興味を持つのも、やっぱ遺伝なんですね。 |
| 内容 |
驚き桃の木山椒の木、ブリキにタヌキに蓄音機 |
| 摘要 |
こりゃもう単なる言葉遊びというか、語呂合わせだけの言葉ですね。これも我が駄句教教祖、私の父親からの口伝の一句です。
色んな人に聞いてみると、下の句は色んなバリエーションがある様です。まぁ最後に「き」がつく3字単語を二つと5字単語を一つくっつけさえすればなんでもござれなんですけどね。 |
| 内容 |
出物腫れ物ところ嫌わず |
| 摘要 |
これを使うシチュエーションとしてはただ一つ。屁をこいたときです。
デキモノやハレモノはまぁ予期せぬ所に人の迷惑省みず発生しますわな。それと屁を垂れた事を引っかけたまあいわば照れ隠し、と言った風情ですか。 |
| 内容 |
出るは溜め息屁と涙 |
| 摘要 |
これはすぐ上の「出物腫れ物〜」と双璧をなすべき、屁をこいたときすかさず口を突いて出す言葉です。その場の雰囲気に合わせて使い分けられるようになれば雑念道まっしぐら(^^;。
ただし、こちらのほうが「出物腫れ物〜」より応用範囲は広いようです。溜め息を出してそれを人に指摘された時、「そうなのよ、でるはためいきへとなみだ、ってね。ふ〜ぅ」などと用います。 |
| 内容 |
いつまでも有ると思うな親と金、無いと思うな運と借金 |
| 摘要 |
これは大阪の毎日放送ラジオ、平日朝8時より放送される「ありがとう浜村淳です」のなかで、浜村淳氏がついもらした一節です。言葉の魔術師、浜村淳氏はこういった成句についても私に多大な影響を与えています。私がもっと弁舌鮮やかだったら弟子入りしていたのになぁ(^^;。 |
| 内容 |
成るほどちぎる秋ナスビ、成ってもちぎらぬ種ナスビ |
| 摘要 |
これは例によって私の父親からの口伝です。意味は通じますよね? これを人に何か教えを受けて納得した時に使います。最初の「成るほど」をちょっと延ばし気味に「なーるほどー」と発し、続いてすかさず「ちぎる秋ナスビなっても〜」と続けるとオシャレです(^^;。 |
| 内容 |
寝るより楽は無かりけり、この世の阿呆が起きて働く |
| 摘要 |
夜、布団に入る時に唱える呪文でして(^^;、これも毎度おなじみ、私の父親からの口伝であります。
使い方は通常、掛け布団をはいで我が身を敷布団の上に乗せ、はいだ掛け布団を我が身の上に掛ける時につくづく楽しそうに唱えましょう(^^;。それによってあーら不思議、頑固な不眠症に悩まされる貴方も一発で深い眠りの園の中に入る事が…できるかぃ(^^;。 |
| 内容 |
よいしょこら庄兵衛さん |
| 摘要 |
これも父親からの口伝でして、まぁ単なる掛け声のちょっと贅沢版ですね(^^;。椅子から立ち上がる時に「よいしょ」と発するのは当たり前ですが、椅子に腰かける時に「よいしょ」と掛け声あげだしたらチトヤバい、とよく言いますが、その時にでも「よいっしょこら庄兵衛さん」と続けると結構オシャレです(ホンマかいな(^^;)。 |
| 内容 |
大男総身に知恵が回りかね、小男の知恵は有っても知れたもの |
| 摘要 |
私は小さい時から図体がでかく、回りの大人たちから上句をもってからかわれていました。まぁ言われても蛙の面に小便、てなもんで何とも思ってなかったんですが、あるとき父親から下句を教えてもらい、おぉ〜こんなシャレた切り返しの言葉があるのかぁ、と感心しました。でもねぇ、ちょっとこれは使ったらヤバそうなのであまり実践はしていませんね(^^;。 |
| 内容 |
夏の夕焼け川越すな、秋の夕焼け鎌砥げ鎌砥げ |
| 摘要 |
これも我が家に伝わる奥義口伝の一つ(^^;。意味は読んで字の如し。夏の夕焼けは天候が急変する前兆なので川を越すなんてヤバいことするなよ。それに比べて秋の夕焼けは明日天気になる前兆だから稲刈りの準備を済ませとけよ、という意味ですね。なんか妙に納得すると思いません? |
| 内容 |
みは上に、おのれつちのと下に付き、すでにやむのみ中ほどに付く |
| 摘要 |
これは辞書に載っていたものを即座に記憶したものです。こういうものは全く苦労することなく頭に入ってくるのはどういうワケだか(^^;。これは「己」と「已」と「巳」の区別をつけるために言われてきた、要するに記憶するための歌ですね。すなわち左側の縦棒の位置を表して、
『「み」(巳)は上に、「おのれ」「つちのと」(己)下につき、
「すでに」「やむ」「のみ」(已)中ほどにつく』
という事です。 |
| 内容 |
何をするやらミカンやら、キンカン枡で量るやら |
| 摘要 |
上記「いつまでも〜」と同じく大阪の毎日放送ラジオ、平日朝8時より放送される「ありがとう浜村淳です」より、パーソナリティ浜村淳氏の発言です。「〜やら」が共通なだけでここまでイメージが膨らむんですね。 |
いちばん上,ひとつ上